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セキュリティの歴史を紐解くと
現在でもそうですが、セキュリティの歴史というのは常にイタチごっこの歴史でもあります。新しいマルウェアが登場すると、それに応じて対策ソフトが開発される。それを潜り抜けるマルウェアが登場する…このイタチごっこは今後も続くでしょう。
ところで、世界で初めて誕生したマルウェアとは何でしょうか。これほどまでに多くのマルウェアが登場すると、その起源が気になってくるものです。マルウェアの中でも最も歴史が古いのがウイルスで、世界最古のウイルスとして知られているのが「ELK
CLONER」です。これは当時のパソコン、AppleIIIをターゲットとしたものでした。初期の頃のウイルスは自分のメッセージを表示するだけのものも多く、ウイルス開発者が自分の技術力を誇示することが目的でした。
そんな牧歌的な世界が一変した歴史的な日が訪れます。それは1992年3月6日で、「ミケランジェロ」というウイルスに感染したパソコンのデータが一斉に破壊されたのです。それまでにも他人のIDを盗むウイルスなどもありましたが、データを突然破壊されるという事実によって大騒ぎとなりました。この騒動以後、ウイルスは攻撃的なもので危険なものというイメージが定着したので、ある意味では現在のウイルスに対する認識が誕生した時でもあります。
危険なものとして認識されるようになったウイルスを駆除するためにワクチンソフトの開発が進められるようになりました。ワクチンソフトの開発への社会的なニーズが高まってきたこともあって、この頃からセキュリティを本業とする会社が徐々に誕生し始めます。
現在、世界には数万種類ものマルウェアがあると言われています。それだけ悪意を持った人がいるということなのか、愉快犯が多いということなのか。理由は様々ですが、莫大な数のリスクが今日もあなたのパソコンを狙っているというのは動かしようのない現実です。