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ファイル共有ソフトは害なのか
ウィニーやLimeWireなどのファイル共有ソフトは依然として人気が高く、多くのユーザーが利用しています。その理由は簡単で、タダで色々なものが手に入るからです。お金を出せば数十万円するようなアプリケーションソフトや、まだ公開中の映画など、欲しい人にとっては垂涎もののファイルがゴロゴロと転がっています。それらを好きなだけダウンロードして入手することができるのですから、こんな夢のような話は中々ありません。
しかし、著作権を侵害される側にとってはたまったものではありません。一部のソフトメーカーに至っては、敢えてマルウェアを仕込んだファイルを自らファイル共有ソフトに流しているという噂もあります。もちろん当事者は否定していますが、その気持ちは分からなくもありません。
著作権侵害が横行して、マルウェア蔓延の温床となっているファイル共有ソフト。これだけ見ていると悪の権化にしか見えませんね。国としても同様の考えを持っているのか、ウィニーの開発者が逮捕された事件は記憶に新しいところです。
結論としては、ファイル共有ソフトには何の罪もありません。利用者が著作権侵害という悪意を持って使っていることが諸悪の根源なのです。悪意には悪意が集まってくるわけで、ファイル共有ソフトからのマルウェア被害に遭った人が、攻撃元に対して強い怒りを持つということがありますが、当の本人は著作権侵害という悪意を持ってファイル共有ソフトという危険地帯に踏み込んだことに気づいていません。このことが最も問題を大きくしているのではないかと思います。
ファイル共有ソフトを使うなと言うつもりはありません。しかし、虎穴に入らずんば虎児を得ずというわけで、それだけ危険な“虎穴”に足を踏み入れているという認識をしっかり持って、ウイルスソフトをインストールしたから安心、というのではなく総合的なセキュリティ意識を持って頂きたいと思います。
ダウンロードしたファイルの中に実行形式のファイルがある、それをダブルクリックせずに削除する。これだけでほとんどのマルウェア被害から免れるのです。実行形式のファイルなのかどうかを知るには、拡張子を表示するように設定している必要がありますが、これすらしていない状態でファイル共有ソフトを使用している方がもしおられたら、今すぐに設定を変更して下さい。