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ミケランジェロ、メリッサの登場

それまでは無害なものがほとんどで、子供のいたずらという範囲を超えることがなかったウイルスが、初めて大きな脅威として認識される瞬間が来ました。それは、歴史にその名を残すウイルス「ミケランジェロ」が一斉に感染パソコンのデータを破壊した時です。
ちなみにその時とは1475年3月6日にミケランジェロが生まれたという日にちなんで、3月6日に設定されていました。この日に感染したパソコンを起動すると、パソコン内部のデータを上書き、削除、改ざんされて破壊されてしまいます。
ミケランジェロ、メリッサ
さて、続いてはミケランジェロの故郷であるイタリアつながりで、これも有名なメルウェア「メリッサ」です(メリッサというのはイタリアの地名に由来しています)。ミケランジェロは初めてデータ破壊という実害を生じさせたウイルスとして知られていますが、こちらのメリッサはワープロソフトWordのマクロウイルスで、メールに添付して送信され、拡散するという今では珍しくない能力を初めて持ったウイルスです。メリッサに感染すると、そのパソコンにあるOutlook Express(メールソフト)に登録されているメール相手に対して自分自身の複製を勝手に送信します。図は実際にメリッサがメールを介して届いたものです。ボカシで消している部分は実在する人物で、メリッサ感染によって受信者のところにウイルス付きのメールを送信してしまったのです。
メリッサそのものの被害よりも、仕事で使っているパソコンからメリッサを得意先などに送りつけてしまうと信用問題に関わるということで、企業がメリッサ退治にやっきになったことでも知られています。
ここでご紹介したミケランジェロとメリッサ。どちらもウイルスの歴史に名前が残るほど有名なものです。それだけ有名だということは、それだけ多くの被害をもたらしたということなので、これをお読みになっている方の中にもお心当たりがある方がおられるかも知れません。
これらのウイルスがとった手法はその後のウイルスにも多大な影響を与えています。逆に考えると、これらのウイルスが猛威を奮った以後は、この両ウイルスの特性を兼ね備えたものがほとんどでした。
それだけウイルスとしては優れた(?)ものだったということなのでしょう。