架空請求が来た
ワンクリック詐欺と並んで、ネット上で非常によく見られる詐欺の手口です。筆者のところでも、よくご相談を受けます。
架空請求というのは、ありもしないネットサービスの利用に対して会費や利用料を請求するというもので、そのほとんどはアダルトサイトなどの利用料金という形を取っています。
ワンクリック詐欺のケースでもそうですが、やはりなかなか他人に言えないような恥ずかしいサイトを利用した料金についての請求なので、恥ずかしい思いをするくらいなら払っておこうということで、払わなくても良いお金を払ってしまう人が後を絶ちません。
払ってしまう多くの人は、同種のサイトを使った心当たりがあるので、その中の1つなのではと思ってしまうのです。しかし、例えば無料で利用できるとなっているサイトしか使っていない人に、有料サイトから請求が来るはずがないのです。
しかし、ここにはちょっとしたカラクリがあります。例えば出会い系サイトによく見られるパターンですが、無料を謳っているサイトに登録すると、登録時に利用規約のようなものが表示されて、それに同意することで会員となります。この利用規約は長々と書いてあるので、ほとんどの方は見ずにそのまま同意します。しかし、この規約の中には「同時に系列のサイトにも入会することになっている」という文言があって、その系列サイトというのは実は有料サイトだったというわけです。ユーザーはそんなことを知らずに無料サイトだけを使っていると、ある程度の金額がたまったところで身に覚えのない有料サイトから請求が来るという次第です。
さすがにこんな巧妙な手を打たれたら払わなければならないのでは、と思ってしまいますが、特定商取引法という法律では、この方法による二重契約を認めていません。つまり、ユーザーが知らなかったと言えば無効です。
そのことは業者側も分かっているので、入金せずに無視したとしてもそれ以上の請求をしてくることはありません。
メールなので脅しに近い文章を送りつけてくることもありますが、それも無視しましょう。あまり気になるようであれば警察に相談すれば、業者の負けです。