ウイルスソフトのランキングと、ウイルス、ワーム、トロイの木馬などのセキュリティ情報や対処方法を解説

トロイの木馬

トロイの木馬というマルウェアのネーミングは、ギリシア神話に由来しています。ギリシア神話に登場する「トロイア戦争」において、巨大な木馬に兵士を隠し、ただの木馬だと思って安心させながら敵陣に木馬を進め、敵陣内で中から出てきた兵士が活躍して劣勢だった戦争に勝利した…これと同じことをするマルウェアがあります。それがトロイの木馬です。
ウイルスやワームのように、そのソフト自身が何らかの悪事を働くというのであれば、まだ被害はそのソフトがもたらす範囲で済みます。しかしトロイの木馬がパソコンに侵入するとそのパソコンの管理者権限を乗っ取ったり、そのパソコンのセキュリティ機能を無力化したりします。つまり、トロイの木馬自体が直接の被害をもたらすのではなく、さらに大きな被害を与えるための手引きをするのです。
例えば、ネット上でどこかに攻撃をしたいと考えている者がいるとします。自分で直接手を加えると身元がすぐに分かってしまうので、それはできません。そこで、他人のパソコンにトロイの木馬を仕掛けて乗っ取り、そこから攻撃をしようと考えます。実際にトロイの木馬に関連する被害では、このように他人のパソコンやネットワークを踏み台にして攻撃を仕掛けるという事例が非常に多く、トロイの木馬に感染してしまった被害者は、知らず知らずのうちに不正アクセスの加害者にもなってしまうのです。
トロイの木馬には色々なタイプがあります。バックドアと呼ばれるタイプは、まさに被害者のパソコンを乗っ取り、攻撃者が自分のパソコンであるかのように遠隔操作をします。被害者が取り付けているWebカメラを使って被害者自身が盗撮されるバックドアも発覚しており、ここまで来ると笑えません。
このように、トロイの木馬はマルウェアの中でも危険性がかなり高いことがお分かり頂けると思います。
他のマルウェアの侵入も喜ばしいことではありませんが、インターネットセキュリティを講じる上でトロイの木馬をしっかり検知することは何よりも優先されることなのです。