ウイルスソフトのランキングと、ウイルス、ワーム、トロイの木馬などのセキュリティ情報や対処方法を解説

ボット

ボットというのは、元々オンラインゲームなどで使われていた言葉です。
最近のオンラインゲームはよく出来ていて、ゲームの中にもう１つの世界、社会が存在しています。その世界にはお金も必要になるわけで、ゲーム世界のお金があればお金持ちになることもできます。
まさにゲームの沙汰も金次第というわけで、同じ強さのモンスターをひたすら倒すことで少しずつお金を得るということを繰り返していると、時間は掛かりますが確実にお金を増やすことができます。しかし、それを人間が自分でやるとなると膨大な時間と手間を要します。そこで、考え出されたのがボットです。
上記のような単純作業をひたすら行うプログラムを作動させて、寝ている間にお金を貯めようというわけです。語源はロボットで、なぜか頭文字と取ってボットと呼ばれています。さて、このボットの考え方を応用したマルウェアがあります。名称もそのまま「ボットウイルス」や、それに感染したネットワークのことを「ボットネットワーク」と呼ばれています。ウイルスやワームは菌や虫になぞらえていますが、こちらはロボットなので、非常に高度な動きをします。
ボットはあらゆるマルウェアの動作を高度に組み合わせた集大成とも呼べるもので、様々なマルウェアの動作を併せ持っています。メールやハッキングによって侵入経路を探し出し、侵入したところで管理権限を乗っ取り、そしてさらに感染を広げます。
そして、乗っ取ったネットワークへ攻撃者のアクセスを手引きして、さらに攻撃を拡散させる…これらの動きを、全て自動的に行うのです。
ボットは感染そのものが目的はありません。ボットウイルスに感染したパソコンやサーバーをどんどん増やし、それらの機器を遠隔操作で思い通りに動かす環境づくりが目的で、その環境を使って迷惑メールの送信やフィッシング詐欺など、金銭的な利益を得るような活動を行います。
さらに、ボットには、ボットウイルスに感染したパソコンやサーバーの集団でネットワークを形成する機能があります。これをボットネットワークと呼び、大きなネットワークがユーザーではなく、攻撃者の意のままに動きます。ボットネットワークを利用したDoSアタックなどでは実際の被害例もあり、大変な脅威です。