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世界初のウイルスELK CLONER

現在、非常に多くのウイルスが相次いで登場し、ウイルスソフトとのイタチごっこを演じています。よくもまぁ、これだけたくさんのウイルスが開発されるものだと変な感心すらしてしまいます。ところで、一番最初のウイルスってどんなものなのでしょう?
これは多くの方が一様に持つ興味かも知れません。コンピューターウイルスの起源については諸説あるのですが、その中で一応の大勢を占めているのが、「ELK CLONER」です。これは「エルク・クローナ」と読みます。
このエルク・クローナが作成されたのは1982年のことです。ちょうどパソコンが普及し始めた頃で、この時点で早くもウイルスが存在していたというのは驚きですね。
世界初のウイルスELK CLONER
アメリカで、当時高校生であったリチャード・スクレンタという人物が、当時の大ヒットパソコンAppleIIIに向けて作ったものです。その動機は至ってシンプルで、図のようなメッセージを表示することで、友達をからかって驚かせたかった、というものです。ちなみに、AppleIIIというのは現在もあるアップル社の製品で、Macのルーツになっているパソコンのことです。今でこそアップル社はiPodやiPhoneといったポータブル機器にシフトしていますが、この当時は高いシェアを持つパソコンメーカーでした。一部をかじられたリンゴのマークがアップル社のロゴですが、当時のAppleIIIにもちゃんとそのロゴがついていました。
このエルク・クローナはインターネットも何も無かった頃のウイルスですから、唯一に近い感染ルートはフロッピーディスクでした。エルク・クローナもそうなのですが、この当時に登場したウイルスは全てフロッピーディスクを介したものでした。
当然ですが、このエルク・クローナは感染したパソコンにメッセージを表示させるだけの簡単なもので、まだウイルスがパソコンに被害を及ぼすということは誰も想像しえなかったことでしょう。
ちなみに、この後世界各地で初期のウイルスが相次いで発見されます。中でも4年後の1986年、パキスタンのプログラマーが作成した「Brain」は、現在も圧倒的なシェアを占めるIBM PC系のパソコンに感染する世界初のウイルスとして知られています。
もっとも、この「Brain」もソフトの不正コピーを止めるように呼びかけるだけの、無害なものでした。