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コンセプトウイルス
ちょっと聞き慣れない言葉かも知れないのが、このコンセプトウイルスです。一般的にウイルスというのは病原菌と呼ばれるように、何か悪い動作を伴うものです。しかし、コンセプトウイルスというのは侵入、感染することはあっても、特に何か悪いことをするわけではありません。それでは、一体何のためにコンセプトウイルスは作られるのでしょうか。
IT関連で新しい技術が生まれた時や、新しいセキュリティホールが見つかった時などに、本当にウイルスが侵入できるのかどうかを実験するために作られる場合がほとんどで、中には、腕のあるハッカーがコンセプトウイルスを作成してそれを拡散させ、注意を喚起するということも実際にありました。
このように、コンセプトウイルス自体には特に害はありません。しかし、侵入されたということはセキュリティホールがあったことを証明しているわけで、決して喜ばしいことではありません。そして、コンセプトウイルスが登場すると、必ずと言っていいほど、その技術や感染方法を“応用”した本物のウイルスが登場します。そういう意味では、コンセプトウイルスを検知したら、後でやって来る本物に備えることができますので、他のウイルスに比べると対処しやすいという特徴があります。
さらに厄介なのが、コンセプトウイルスとして広がると、その名前のウイルスはコンセプトウイルスなので大した危険はないとして多くの人が慢心してしまいます。そこへ、このコンセプトウイルスの技術を使った同名の本物が出回るのです。コンセプトウイルスに化けた本物のウイルスは、侵入経路や感染方法が同じであることもあって、コンセプトウイルスとの区別が非常に難しいのです。そして、ある程度の時間を経てウイルスが実際の悪事を働く段階になった時に初めて本物のウイルスであることを知る…その時は後の祭りです。
ウイルスソフトはコンセプトウイルスもしっかり検知する能力を持っています。コンセプトウイルスだからと言ってもウイルスに違いはないので、これらのソフトを使ってしっかりと駆除して、感染を未然に防ぎましょう。